Japanische Klassiker mit Furigana
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すずめがもりのかいい
雀が森の怪異
田中 貢太郎
Lesen Sie 雀が森の怪異 (すずめがもりのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.614 Zeichen · 14 Bildschirme
彼はうっとりとなって妹のことを考えていたが、神中のことが気になったので耳をたてた。神中はもう帰ったのか家の中はひっそりして何の物音もしなかった。
翌日になって彼は学校へ往って試験を受けたが、試験中にも神中が雀が森へ来てくれと云ったことを思いだして、いろいろと想像していたがまとまった考えは浮かばなかった。それに夜森の中へ往くと云うのが不安にもなって、何もきかず軽率に約束したことが後悔せられた。そして、学校から帰って、後一日になっている試験の準備にかかったが、雀が森のことが気になって、じっとして勉強することができなかった。
そのうちに日が暮れて、往くのは困る困ると思っているうちに十二時近くなった。彼は真面目な学生であったから、約束をすっぽかすことができなかった。彼は時計が十二時に五分前になると、しかたなしに下宿を出て雀が森の方へ往った。
その晩は曇って冷たい風が吹いていた。かぎようによってはむれるような厭な匂いであるが、生生の気の溢れている青葉の匂いが漂うていて、読書に疲れた頭を休めるには適している晩であったが、なんだか不安で厭で、歩くと左の痃癖のあたりが張るように痛くて歩くのが苦しかった。