Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
「そんな話犬もくわんそうよ兵六さん。それで男のあんたが出てきたわけでは、まさかないでしょう。」
すると兵六氏はちょっとあわてた口調で、
「まさか。わしも男ですからな。女ごときに負けやしませんがね。わしも男じゃ。そうそう馬鹿になってもおれん――」
わしも男じゃといいながらぽろっと涙をこぼしたことで、夏樹の目がまたくるくるしだした。安江はむつかしい顔になり、
「その話、あとにしましょうよ兵六さん。夏樹はあっちへいってらっしゃい。ここはおとなの話よ。」
「はあい。」
素直に立ちあがったと思うと、
「じゃあぼく、桃の花買ってくる。」
と、安江の鼻の先にかた手をつき出す。百円わたすと、
「それから、花あられも買う。」
「ああ、いいよ。」
「ついでにおもちゃもね。」
「なにいってんのよ。すぐつけあがる。」
すると何を思ったのか兵六氏も急に立ちあがり、
「夏樹さん、おじさんも一しょにいくよ。」
「…………」
夏樹ははかるようなまなざしで安江を見る。
「いいじゃありませんか兵六さん。来たばっかりなのに、少しゆっくりしたら?」
しかし兵六さんはあわてたかっこうでオーバーに手をとおしながら夏樹と一しょに出かけるしたくをした。