Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
」
「ふーん。」
「そんな風に心配していただくの、いやですわ。わたし、やっと母の監視をのがれて、東京でこそ自由に暮そうと思ってとび出してきたんですもの。」
「そう。それは浜ちゃんの主観ね。でもね浜ちゃん、あんた今、だれのおかげ――っていうのもへんだけど、まあ、ざっくばらんにいえば経済力もそうね、それで暮しているの。自分だけの力だと思ってる?」
「おばさんのおかげっておっしゃりたいんですか。」
「いいえ、とんでもない。もちつもたれつ、みんなの力だと思ってますよわたしは。だから心配もそこから生れてくるのよ。そう思わない?」
「思いませんわ。それこそ人間の自由をしばる古くさい考えだと思いますわ。」
「そう、ほんとにそうだとすると、わたしは、浜ちゃんと一しょに暮せないんですがね。」
「わかりました。私、仕事さがしますわ。」
厚い板戸でしきられている安江の部屋は静かだった。どれほどの時がたったか、とにかく心配になった音枝は、茶器をもってはいっていった。安江はいつもよくするくせの、机にかたひじついてあごをのせていた。それはくつろいだようなかっこうであり、ほおには微笑さえ浮んでいたが、音枝はすぐ事態を察した。