Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
――もう姉のことなど思い出すこともないのだろうな……
と考える。安江にそんな遠い記憶が残っているとも知らずに、兵六さんは、今にも水ばなの落ちそうな鼻の先を、手の甲でこすりながら、よいとこしょ、とかけ声かけて立ちあがり、
「さ、お飾りだよ夏樹ちゃん。おじさんが花立打ちつけるからね、夏樹ちゃんは桃と柳をさしておくれ。」
かなづちと花立をもって玄関へ出てゆこうとするのを押しとどめるように、安江は夏樹にむかっていった。
「夏樹、おじさんにあんまりめいわくかけちゃ、だめよ。早く帰らないと、おじさんち遠いのよ。」
すると兵六さんもまた夏樹にむかって返事をする。
「なに、大丈夫だよ、なあ夏樹さん。」
そうれみろという顔で夏樹は、
「うん。約束したんだもんね、兵六さん。」
安江はあきれて、
「なによ夏樹、おじちゃんとおっしゃい。いやな子ね。」
「おかあちゃんだって兵六さんていうじゃないか。ぼく、気にいったんだ兵六さんて名前。だから兵六さんて呼んでもいいか、ちゃんと聞いたんだよ。そしたら兵六さん、ガッテンショウチノスケっていったんだもん。ね、兵六さん。」
「そうとも、そうとも。