Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
」
「それから、今夜泊ってゆく約束したんだよ、ね兵六さん。」
安江は顔色をかえ、
――なにいってんの、夏樹!……
と叫びたかったが声にならなかった。
家のぐるりをはしゃいだ夏樹の声がとびまわっている。それと調子をあわせてでもいるように、金づちの音がきこえる。出入口や窓に花立がうちつけられているのだ。一しょに桃と柳を楽しみたい気持をすっかり失った安江はへやにもどってむっすりと考えこんでいた。いわばひとりっ子的な夏樹の、たれにでも親しんでゆく気ままさも、いつものように可哀想がれず、それにつけいった兵六さんに気がめいった。何といってことわるべきか。しかしいずれにしろこうなれば夕食だけは共にせねばなるまいと思うと、気持はやはり重る。
――兵六さん、水くさいようだけど、あんたには家があるんだから、帰って下さいよ……
そういってことわろうか。それなら音枝にいって一ときでも早く夕食のしたくをさせた方がよいと思う。そのうち、夫が帰ってくれば、何とかしてもらう。私はすぐ玄関にとび出していってささやかねばならない。
――兵六さんがきてるの。泊りたいらしいの。すみませんけど、それだけは困るといってね……