Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのくにとたろう
雪の国と太郎
小川 未明
Lesen Sie 雪の国と太郎 (ゆきのくにとたろう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.581 Zeichen · 8 Bildschirme
乙は太郎がどんなことをいい出すかしらんと心のうちでおそれていました。太郎は乙をふり向いて、
「君、海へいってみようよ。」
といいました。
海には一里ばかりありました。広い野原を越して高いおかを上ってそれを下りなければ、海を見ることができなかったのです。
「海なんかおもしろくないじゃないの。」
と、乙はさも迷惑そうにいいました。
「君は冬の雪の降っている海を見たことがあるかい。それは盛んだぜ。毎晩ゴーゴーといって鳴り音が聞こえるだろう。僕は海を見ながらハモニカを吹くんだぜ、僕といっしょにゆこう。」
と、太郎はくるくるした目をみはりました。
「だって帰りがおそくなると、お母さんにしかられるもの。海なんか遠くて、ゆくのはいやだ。」
乙は泣き声を出していいました。
「ほんとうにいやだなら、いじめてやるぞ。」
と、太郎は雪路の上に立って、怖ろしいけんまくをしてみせて乙をおどしました。乙は大きな声をあげて泣き出しました。ちょうどそこへ、乙の知ったおじいさんが通りかかったもので、
「おい、けんかをしていかんぞ。」
といったので、太郎は独りであちらへいってしまい、乙はおじいさんに連れられ、その日は家に帰りました。