Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきやなぎ
雪柳
泉 鏡花
Lesen Sie 雪柳 (ゆきやなぎ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.054 Zeichen · 90 Bildschirme
牝、牝も骨身……肩、腰、胸、腹、柔い膸まで響いてこたえておろうに。洞斎兄がや、足腰の立たん中気の病人がや、四年越、間がな、隙がな、牝の姿が立違うて、ちょっとの間見えぬでも、噛みついて、咽笛を圧伏せるようにゃ、気精を揉んだは何のためや、お冬おのれが、ここな、この、木彫師、直槙。」
私は呼吸を詰めた。
「小山さんじゃ。まだその時は牡、とはいうまい。また牝、ともいうまい。その時には、金輪際、みだら、ふしだらはなかった。また有るわけもないかじゃ事は、尼も、洞斎兄の身にかわって天地を見抜いてよう知っとる。じゃが、病人は、ただそれのみを、末期まで、嫉妬に嫉妬して、われの貞操を責め抜いたに、お冬も泣かされれば、尼かて、われの身になって見て、いとしゅうてならなんだ。
うう、因果やの、前世の業というは可恐しい。曳船でも、柳町でも、この直槙の形が家の内へ顕われると、棟、柱、梁に祟られた同然に、洞斎兄は影を消すように引越して、あとをくらまかいた、二十何年もたって、臨終にも、目を瞑らず、二世三世までも苦しんだ。嫉妬、怨念、その業因があればこそ、何の、中気やかて見事に治療をして見せる親身の妹――尼の示現の灸も、その効がなかったというもんやぞ、に。