Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねん
青年
Lesen Sie 青年 (せいねん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.670 Zeichen · 246 Bildschirme
随分官能は若い血の循環と共に急劇な動揺をもするが、思慮は自分で自分を怪しむ程冷やかである。或時瀬戸が「君は老人のような理窟を考えるね」と云ったのも道理である。色でしたか、慾でしたか、それとも色と慾との二道掛けてしたかと、新聞紙の三面の心理のような事が考えられる。そして慾でするなら、書生風の自分を相手にせずとも、もっと人選の為様がありそうなものだと、謙譲らしい反省をする、その裏面には vanit が動き出して来るのである。しかし恋愛はしない。恋愛というものをいつかはしようと、負債のように思っていながら、恋愛はしない。思慮の冷かなのも、そのせいだろうかなどと考えて見る。
広小路で電車を下りたときは、少し風が立って、まだ明りをかっかっと点している店々の前に、新年の設けに立て並べてある竹の葉が戦いでいた。純一は外套の襟を起して、頸を竦めて、薩摩下駄をかんかんと踏み鳴らして歩き出した。
谷中の家の東向きの小部屋にある、火鉢が恋しくなった処を、車夫に勧められて、とうとう車に乗った。車の上では稍々強く顔に当る風も、まだ酔が残っているので、却て快い。
東照宮の大鳥居の側を横ぎる、いつもの道を、動物園の方へ抜けるとき、薄暗い杉木立の下で、ふと自分は今何をしているかと思った。