Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねん
青年
Lesen Sie 青年 (せいねん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.670 Zeichen · 246 Bildschirme
五
婆あさんは膳と土瓶とを両手に持って、二人の顔を見競べて、「まあ、大相お静でございますね」と云って、勝手へ行った。
蹲の向うの山茶花の枝から、雀が一羽飛び下りて、蹲の水を飲む。この不思議な雀が純一の結ぼれた舌を解いた。
「雀が水を飲んでいますね」
「黙っていらっしゃいよ」
純一は起って閾際まで出た。雀はついと飛んで行った。お雪さんは純一の顔を仰いで見た。
「あら、とうとう逃がしておしまいなすってね」
「なに、僕が来なくたって逃げたのです」大分遠慮は無くなったが、下手な役者が台詞を言うような心持である。
「そうじゃないわ」詞遣は急劇に親密の度を加えて来る。少し間を置いて、「わたし又来てよ」と云うかと思うと、大きい目の閃を跡に残して、千代田草履は飛石の上をばたばたと踏んで去った。
五
純一は机の上にある仏蘭西の雑誌を取り上げた。中学にいるときの外国語は英語であったが、聖公会の宣教師の所へ毎晩通って、仏語を学んだ。初は暁星学校の教科書を読むのも辛かったが、一年程通っているうちに、ふいと楽に読めるようになった。そこで教師のベルタンさんに頼んで、巴里の書店に紹介して貰った。