Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

殺しておいて火をつけると、すぐ自分に疑いがかかるから自分が夜網を打ちに行った後で、吉兵衛がたしかに生きていたということを誰かに見せておく必要がある。それで、自分が船宿に着いたころに、おもんに吉兵衛を引きこませ、わざと女中に見られるように仕組んでおいた。……お前さんが吉兵衛の家へ出かけて行っていい加減な話をし、帰ると見せかけて染場の暗闇に隠れ、吉兵衛が出て行ったのを見すましてそこから這いだし、押入れや納屋にタップリと火繩を伏せて、なに喰わぬ顔で夜網を打ちに行った。……お前さんとおもんと同腹だった証拠はまだほかにもある。吉兵衛の死骸は、火がまわったところを見すまして梯子で三階の出窓から火の中へ跳ねとばしたんだが、あれほど大きな梯子を櫓から外してまた櫓へかけるようなことは、おもんには出来る芸当じゃねえからな」

「神田屋さん、そりゃア……」

「まア、黙っていなせえ。言うことがあったら番屋で聴こう。まだ続きがあるんだから邪魔をしちゃいけない。……最後に、京屋へ火をつけたのはお前さんだというのは、どういうすじかと言うと、これには二つの証拠がある。だいいちは、この印籠の下げ緒についている藍。