Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜ
風
壺井 栄
Lesen Sie 風 (かぜ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.702 Zeichen · 78 Bildschirme
」
修造は小鼻のところで苦笑し、
「えらいよ、お前は。」
「馬鹿にしないでよ。冗談じゃないんですもの。」
「そうさ。冗談じゃないよ。そのうち、おれもはっきりする日がくるからね。近いうちだよ、それは。」
「そうお。」
彼女はふっと、目をかがやかせた。なんとなく、このごろある清新な雰囲気を感じさせられていることがあったからだ。修造たちのグループの雑誌「解放文芸」の上で意見が二つに別れ、新しい動きに修造たちが転じようとしていることだった。その修造たちの側では、若い学生たちのグループとも近づいて、活溌な動きを見せていた。仕事のほかに修造は日がな毎日忙しく出かけていた。Hの家へも、なんとなく足が遠のいているようだった。そしてその年の暮れ、
「今日は、みんな集まってね、討論して、いよいよはっきりするんだよ。もしかしたら、HやOともお別れかもしれん。」
彼は靴の紐を結びながら、うしろむけのままいった。
茂緒はふっと孤立を感じた。しかし窓からのぞくと、いつものとおり修造が、Hの家の方へゆくのを見るとほっとした。やっぱり一しょに出かけるらしい。会合の場所は馬橋のYの家だということだった。