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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.100 Zeichen · 523 Bildschirme

Aozora Bunko

「だから、その訳を話して、得心して貰いてえと思って、急ぐところを引ッ返してきたのじゃねえか。まア、落ちついて、おれの話を聞いてくれ」

「いいえ、聞かないでも、およそのことは分っています。だけれど、それじゃお前……」

「おッと、その後をいってくれるな。墨屋敷の窓の下で、約束したことは、必ず忘れていやしねえ。またお前が命がけで、お千絵様を探りだしてくれたことも、弦之丞様としてみれば、心じゃ礼をいっているくらいだ。だが、ままにならねえのは今度の旅立ち……、弦之丞様は、この万吉にさえ一言も洩らさずに、もう半月も前に、中仙道から上方へ、お立ちになってしまったのだ」

「えッ……。では法月さんは、もうこの江戸にいないのだね……」

「そうよ。俺もずいぶん半間だったが、弦之丞様も弦之丞様だ。松平様のお屋敷に呼ばれて、常木様と三人で、コッソリ相談をきめるとすぐに、代々木荘から夜にまぎれて、甲州街道をお急ぎなすってしまったという話――」

「じゃ、万吉さんまでを置き残して? ……」

「だから俺も、そう聞いた時にゃ、常木様へさんざん不服を並べてしまった。けれど、深い仔細を聞くと……」