Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
世子にはさぞ窮屈だろうと思われるが、習慣上そんな事もないらしい。世子といえどもやはり行儀に坐っていて足一つ横へ出す事もせられない。口をきかぬ時は殆んど睨み合いの姿である。勿論我々の小姓は袴をはいている。世子は袴を穿かれない。それから庭へでも下りて散歩でもしたいと思われると、居間の小姓二人が必ず附添う。一人は世子の小刀を持つ。どちらへ歩まりょうが、影の形に添う如くこの二人は離れない。悪く言えば監視附きの囚人というさまだ。それから厠へ行かれる時は今もいった宿番の時の通りである。この厠についてもちょっと言うが、世子の大便所は引出しの如きものになっていて、籾殻が底に敷いてある。そうして一回一回大便を捨ててしまうので、御下男といって最下等の卒の掌る所である。これは男子たる方々の厠の式で、婦人方となると私の聞いている所では、大便所は万年壺といって深く掘って、殆んど井戸のような者であるそうだ。これは始終大便を捨てるということはない。勿論貴き人は一人一個の厠を占有せられているから、生れてから死ぬるか、もしくは他へ縁付せられるまでは、この一つの厠へ用達しをして、その人が居なくなると共に、その万年壺を土で埋めてしまうのである。