Japanische Klassiker mit Furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
「それから、もう一つ御無心があるのですが、レッサーの『死後機械的暴力の結果に就いて』がありましたら……」
「たぶんあったと思いますが」と鎮子はしばらく考えた後に云った。「もしお急ぎでしたら、彼方の製本に出す雑書の中を探して頂きましょう」
鎮子に示された右手の潜り戸を上げると、その内部の書架には、再装を必要とするものが無雑作に突き込まれていて、ただABC順に列んでいるのみだった。法水は、Uの部類を最初から丹念に眼を通していったが、やがて、彼の顔に爽かな色が泛んだと思うと、「これだ」と云って、簡素な黒布装幀の一冊を抜き出した。見よ、法水の双眼には、異常な光輝が漲っているではないか。この片々たる一冊が、はたして何ものを齎そうとするのだろうか※(感嘆符疑問符、1-8-78) ところが、表紙を開くと、意外な事に、彼の顔をサッと驚愕の色が掠めた。そして、思わずその一冊を床上に取り落してしまったのだった。
「どうしたのだ?」検事は吃驚して、詰め寄った。
「いかにも、表紙だけはレッサーの名著さ」と法水は下唇をギュッと噛み締めたが、声の慄えは治まっていなかった。
「ところが、内容はモリエルの『タルチュフ』