Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
何故なら、失神中は皮膚の触覚を欠いていても、内部の筋覚や関節感覚、それに、擽痒の感覚には一番刺戟されやすいのだからね。すると、当然その場所に、劇烈な擽痒が起る。そうしてそれが電気刺戟のように、頸椎神経の目的とする部分を刺戟して、指に無意識運動を起させるに違いないのだ。つまりこの一つで、伸子がいかにして鎧通しを握ったか――という点に、根本の公式を掴んだような気がしたのだ。乙骨君、君は故意か内発かと云ったけれども、僕は、故意かエーテルに代る何物かと云いたいんだ。どうして、その本体を突き詰めるまでには、まだまだ繊細微妙な分析的神経が必要なんだよ」と彼の表情に、みるみる惨苦の影が現われてゆき、打って変って沈んだ声音で呟いた。
「ああ、いかにも僕は喋ったよ。しかし、結局廻転椅子の位置は……あの倍音演奏はどうなってしまうんだ?」
そうしてから、しばらく法水は煙の行方を眺めていて、発揚状態を鎮めているかに見えたが、やがて乙骨医師に向って、話題を転じた。
「ところで、君に依頼しておいたはずだが、伸子の自署をとってくれただろうか」
「だがしかしだ。これには充分質問例題とする価値があるぜ。