Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
たかが、窓を開けるだけに呼びつけておいて、あの位置にするまでに、それは何度上げ下げしたことだったでしょう」
クメルニツキーの大迫害――。その内容は三人の中で、ただ一人法水だけが知っていた。すなわち、十七世紀を通じて頻繁に行われたと伝えられる、カウカサス猶太人迫害中での最たるもので、それを機縁に、コザックと猶太人の間に雑婚が行われるようになったのである。しかし、クリヴォフ夫人が猶太人であることは、すでに彼が観破したところであるとは云え、その破られた記録の内容というのに、なんとなく心を惹くものがあったのは、当然であろう。その時一人の私服が入って来て、津多子の夫――押鐘医学博士が、来邸したという旨を告げた。押鐘博士には、かねて福岡に旅行中のところを、遺言書を開封させるため、唐突な召喚を命じたというほどだったので、ここでひとまず、伸子の訊問を中断しなければならなかった。そこで法水は、ダンネベルグ事件を後廻しにして、さっそく今日の動静について知ろうとした。
「ところで、既往の問題はのちほど改めて伺うとして……。今日の出来事当時に、貴女は何故自分の不在証明を立てることが出来なかったのです」