Japanische Klassiker mit Furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
「いや、まだまだ、捜査の正統性を疑うには、早いと思うね」と法水はどうしたものか、浮かぬ顔をして云い淀んだ。
「だって、考えて見給え。いま鎮子は、それを知っているのが、自分と押鐘博士だけだと云ったっけね。そうすると、知らないはずのレヴェズが、どうして算哲以外の人物に虹を向けて、しかも、あんな素晴らしい効果を挙げたのだろう」
「虹※(感嘆符疑問符、1-8-78)」検事は忌々しそうに呟いた。「ねえ法水君、算哲の心臓異変を発見した君を、僕はアダムスともルヴェリエとも思っているくらいだよ。ねえ、そうじゃないか。この事件では、算哲が海王星なんだぜ。第一あの星は、天空に種々不合理なものを撒きちらして、そうした後に発見されたのだからね」
「冗談じゃない。どうしてあの虹が、そんな蓋然性に乏しいものなもんか。偶然か……それとも、レヴェズの美わしい夢想だ。言を換えて云えば、あの男の気高い古典語学精神なんだよ」と相変らず法水は、奇矯に絶した言を弄するのだった。「ところで支倉君、驚駭噴泉の踏み石の上には、レヴェズの足跡が残っていたっけね。それをまず、韻文として解釈する必要があるのだよ。