Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
現に、口腔の中に残っている果肉の噛滓からも、多量の物が発見されているし、何より不思議な事には、それが、最初口に入れた一房にあったのだ。だから、犯人は偶然最初の一発で、的の黒星を射当てたと見るよりほかになかろうと思うね。他の果房はこのとおり残っていても、それには、薬物の痕跡がないのだよ」
「そうか、洋橙に※(感嘆符疑問符、1-8-78)」と法水は、天蓋の柱をかすかに揺ぶって呟いた。「そうすると、もう一つ謎がふえた訳だよ。犯人には、毒物の知識が皆無だという事になるぜ」
「ところが、使用人のうちには、これという不審な者はいない。久我鎮子も易介も、ダンネベルグ夫人が自分で果物皿の中から撰んだと云っている。それに、この室は十一時半頃に鍵を下してしまったのだし、硝子窓も鎧扉も菌のように錆がこびり付いていて、外部から侵入した形跡は勿論ないのだよ。しかし妙な事には、同じ皿の上にあった梨の方が、夫人にとると、はるかより以上の嗜好物だそうなんだ」
「なに、鍵が?」と検事は、それと創紋との間に起った矛盾に、愕然とした様子だったけれども、法水は依然熊城から眼を離さず、突慳貪に云い放った。