Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

もう申し上げる必要はございませんでしょうが、あの酸化鉛の罎の中には、容器に蔵めた二グラムのラジウムが隠されてあったのです。それを私は、かねて伯父から聴いておりましたので、押鐘の病院経営を救うために、ある重大な決意をいたさねばなりませんでした。そして、一月ほど前から、この館を離れずに――。ああ、その間、私にはあらゆる意味での、視線が注がれました。しかし、それさえもじっと耐えて、私は絶えず、実行の機会を狙っていたのでございます。ですから、私がこの室で試みましたいっさいのものは、無論愚かな防衛策なのでございます。もしも、ラジウムの紛失が気づかれた際に、その場合仮空の犯人を、一人作るつもりだったのでした。どうか法水さん、あの、あのラジウムをお取り戻しなすって――先刻押鐘が持ち帰りましたのですから。けれども、この点だけは断言いたしますわ。いかにも、私は盗んだに相違ないのですが、しかし、私の犯行と同時に起った殺人事件には、絶対関係がございませんのですから」

津多子夫人の告白を聴いて、法水はしばらく黙考していたが、ただもうしばらく、この館に止まるよう命じたのみで、そのまま彼女を戻してしまった。