Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、その翌日の午後になると、伸子の打札がヒュッと風を切って飛び来ると思いのほか、意外にも検事と熊城が訪れてきて、当の本人伸子が、拳銃で狙撃され即死を遂げたという旨を告げた。それを聴くと、事件を全然放擲しかねまじい失意を、法水が現わしたばかりでなく、せっかく見出した確証を掴もうとした矢先、その希望が全然截ち切られてしまって、もはやこの事件の刑法的解決は、永遠に望むべくもないのだった。それから三十分後に、法水は暗澹とした顔色を黒死館に現わした。そして、今や眼のあたり伸子の遺骸を見ると、事件の当初から、ファウスト博士の波濤のような魔手に弄ばれ続けて、とどのつまり生命の断崖から、突き落されたこの今様グレートヘンが……、なんとなく死因に対する、法水の道徳的責任を求めているように思われ、はてはそれが、とめどない慚愧と悔恨の情に変ってしまうのだった。ところが、現場伸子の室に一歩踏み入れると、そこには、鮮かにも残された犯人の最後の意志――Kobold sich muhen(地精よいそしめ)が印されていた。

しかもそれは、いつものような紙片にではなく、今度は、伸子の身体に印されていた。