Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
鬼の娘が水になって消えてしまったって」
ところが、法水の諧謔は、けっしてその場限りの戯言ではなかった。そうして作られた原型を、熊城がテレーズ人形の足型と、歩幅とに対照してみると、そこに驚くべき一致が現われていたのである。幾度か推定の中で、奇体な明滅を繰り返しながらも、得態の知れない水を踏んで現われた人形の存在は、こうなると厳然たる事実と云うのほかにない。そして、鉄壁のような扉とあの美しい顫動音との間に、より大きな矛盾が横たえられてしまったのであった。こうして、濛々たる莨の煙と謎の続出とで、それでなくても、この緊迫しきった空気に検事はいい加減上気してしまったらしく、窓を明け放って戻って来ると、法水は流れ出る白い煙を眺めながら、再び座についた。
「ところで久我さん、過去の三事件にはこの際論及しないにしてもです。いったいどうしてこの室が、かような寓意的なもので充ちているのでしょう。あの立法者の像なども、明白に迷宮の暗示ではありませんか。あれは、たしかマリエットが、埋葬地にある迷宮の入口で発見したのですからね」
「その迷宮は、たぶんこれから起る事件の暗示ですわ」