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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくびゃくストーリー

黒白ストーリー

杉山 萠円

Lesen Sie 黒白ストーリー (こくびゃくストーリー) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.356 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

――9――

失礼で御座いますが代理としてお願い致します……

実は店の信用に拘わりますので……

どうぞなるべく秘密に一ツ……

警視はうなずいた。

久四郎は一同に叮嚀にお辞儀をして去った。

人夫頭の吉が入れ代って這入って来た。警視に名刺を出してお辞儀をしながら汗を拭いた。

私服巡査が留置所の中の徳市に会わせた。

吉はなまけものの徳市に相違ないと保証した。徳市に向って忌々しげに云った。

飛んだ肝を潰させやがる……

貴様みたいな奴はもう雇わない……

こう云い棄てると吉は警官に一礼して去った。

警部と私服巡査三名の一行が手を空しくして帰って来た。警官一同呆れた顔を見合わせた。

――9――

徳市は十円の紙幣を下渡されて拘留所を出た。汚れた紳士姿のままボンヤリと当てもなくうなだれて歩き出した。長い事歩いて後静かな通りへ来た。

ドン――……

徳市は吃驚して頭を上げた。空いた腹を撫でまわしてあたりを見まわした。眼の前に立派な家が立っていた。何気なくその表札を見た。

下六、一九 ホシノ

徳市は急にシャンとなった。ポケットに手を入れて十円札を引き出した。ボロボロになった表裏をあらためて又ポケットに入れた。