Japanische Klassiker mit Furigana
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くろネクタイぐみのましゅ
黒襟飾組の魔手
山本 周五郎
Lesen Sie 黒襟飾組の魔手 (くろネクタイぐみのましゅ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.299 Zeichen · 27 Bildschirme
今夜は休養です!
「え※(感嘆符疑問符、1-8-78) 二日も眠ったっきりですって、冗、冗談じゃねえ、私ゃそんななご免ですぜ」
「心配し給うな、多分こんなことだろうと思って、前にちゃんと予防しておいたんだ。さっき顔へ塗ったのは蚊除け香水じゃない。あれは麻酔剤の力を消す新しい薬なんだ。あれを塗って置けばどんな麻酔剤だって恐れることはないんだ」
「うは――。偉いなあ坊っちゃん――じゃねえ春田さんは……やっぱり私の親分だけありますねえ」
壮太は躍りあがって手を拍った。しかし龍介は鋭い眼で、きっと闇の中を睨んでいった。
「だが、これで奴等の手が分かった。あとは糸を緊めて行くばかりだ!」
今夜は休養です!
明る十七日の朝、龍介が起出たのはまだ暗い内のことであった。起きるとすぐ、龍介は妹の文子を自分の部屋へ連れこんで一時間ばかり何か話していたが、やがて文子は何度もうなずいて、固い決心の色を見せながら、そっと唯一人、どこへともなく家を出ていった。
「さあ、急がしいぞ!」
文子を送り出すと、そういいながら朝飯も食わずに家を出ていった。無論父の自動車を借りてである。
三十分の後龍介が帰ってきた時には、拳骨壮太がきて待っていた。