Japanische Klassiker mit Furigana
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あなたもわたしも
あなたも私も
久生 十蘭
Lesen Sie あなたも私も (あなたもわたしも) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.405 Zeichen · 263 Bildschirme
「ウラニウムって、原子爆弾のウラニウムのこと?」
「まあ、そうです」
「いいえ、なにも」
中村はうなずいて、
「知らなければ、知らないでもいい……それで、父親に絶対なる説得力をもっている愛一郎を、おどかした……」
愛一郎が、神月から母の古い恋文をとりかえそうというのは、母の追福のためだと想像していたが、そんなロマンチックなことでもなかったらしい。
「へえ、そんなことがあったんですか……愛一郎、どうだったの? 相手が神月じゃ、勝目はなかったでしょう」
車は、特徴のある、鼻声のような、警笛を鳴らし、前の車を追い越しながら、猛烈なスピードで三原橋のほうへ飛ばしている。
「いや、負けちゃいなかった。神月の申し出を断わって、少年探偵モドキに、神月の屋敷を捜しまわったようなことも、あったらしい」
「あのひとなら、それくらいなことは、するでしょう」
「……捜すものは見つからなかった。愛一郎は、古い恋文を送りつけられるのを恐れて、門の郵便受の前で、張番をしていた長い時期がある」
あの夜、扇ヶ谷の家で、秋川が、あれはあなたの手紙を待って、郵便受の前で張番をするようなことまでしていると言った。