Japanische Klassiker mit Furigana
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あほうどりのなくひ
あほう鳥の鳴く日
小川 未明
Lesen Sie あほう鳥の鳴く日 (あほうどりのなくひ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.725 Zeichen · 16 Bildschirme
雲はちぎれちぎれに高らかに飛んでいました。そして、日がまったく暮れてしまうのには、まだ間があったのです。
たちまち、鋭い口笛のひびきが子供の唇から起こりました。子供は、指を曲げてそれを口にあてると、息のつづくかぎり、吹きならしたのであります。
このとき、紅みがかった、西の空のかなたから、一点の黒い小さな影が雲をかすめて見えました。やがて、その黒い点は、だんだん大きくなって、みんなの頭の上の空に飛んできたのです。そして、あちらの町の建物の屋根に止まりました。
それは、夕暮れ方の太陽の光に照らされて、いっそう鮮かに赤い毛色の見える、赤い鳥でありました。
「さあ、このように赤い鳥が飛んでまいりました。」と、子供はいいました。
「あんな遠くでは、赤い鳥だかなんだかわからない。もっと近く、あの鳥を呼んでみせろ!」と、酒に酔った男が叫びました。
子供は、ふたたび高らかに、口笛を吹き鳴らしました。すると、赤い鳥は、すぐみんなの頭の上の電信柱にきて止まりました。
「おい、あの鳥を手に捕まえてみせろ。」と、このとき、見ていた一人がいいました。
「私には、あの鳥を捕まえることもできますが、今日はそんなことをいたしません。