Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あほうどりのなくひ

あほう鳥の鳴く日

小川 未明

Lesen Sie あほう鳥の鳴く日 (あほうどりのなくひ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.725 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

若者は、小さいときから、両親のもとを離れました。そして諸所を流れ歩いていろいろな生活を送っていました。もはや、幾年も自分の生まれた故郷へは帰りませんでした。たとえ、それを思い出して、なつかしいと思っても、ただ生活のまにまに、その日その日を送らなければならなかったのであります。

もう、十七、八になりましたときに、彼は、ある南方の工場で働いていました。しかし、だれでもいつも健康で気持ちよく、暮らされるものではありません。この若者も病気にかかりました。

病気にかかって、いままでのように、よく働けなくなると、工場では、この若者に、金を払って雇っておくことを心よく思いませんでした。そしてとうとうある日のこと、若者に暇をやって工場から出してしまったのです。

べつに、頼るところのない若者は、やはり自ら、勤める口を探さなければなりませんでした。

彼は、それからというものは毎日、あてもなく、あちらの町こちらの町とさまよって、職を求めて歩いていました。

空の色のうす紅い、晩方のことでありました。彼は、疲れた足をひきずりながら、町の中を歩いてきますと、あちらに人がたかっていました。