Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
では、俺の兄貴の長男は、なんという名かと言うと、五郎である。
おやじは六郎という名なのである。そのおやじが長男を五郎と名づけ、次男の俺を四郎と名づけたのである。
おやじは六人目の子だったから、六郎と名づけられた。その子に、五郎、四郎、三郎という逆算的な名を与えたのは、なかなかしゃれたというか、ひねった感じながら一種の心憎さも味わえるのだが、いやなに、ほんとは名前を考えるのが面倒臭かったのだと、おやじは白状したことがある。
今でこそ俺も、心憎いなんて言うが、子供の頃は自分の名前がいやでしようがなかった。
「こら、シロ」
と、犬が叱られているのを聞くと、自分に言われたみたいに首を縮めた。
「バカだね、シロは」
なんてのも、俺のことでなく犬のことだと思っても、うんざりしたものだ。
おやじは俺の名を「シロー」でなく「シロ」と呼んでいたのだ。
シロ勝て、アカ勝て――運動会の綱曳きのあの応援、あれも、シロの勝ちならいいが、シロの負け! となると、同級生が、
「シロ負けたあ」
「シロ、シロ、弱いシロ」
と俺の顔を見て、はやし立てた。
「シロはいやだ。四郎はいやだ」
と俺は家でだだをこねた。