Japanische Klassiker mit Furigana
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こんにゃくうり
こんにゃく売り
徳永 直
Lesen Sie こんにゃく売り (こんにゃくうり) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.408 Zeichen · 15 Bildschirme
私は着物に咬みつかれたまま、うしろの菜園のなかに、こんにゃく桶ごとひっくりかえった。
「あら奥様、奥様、大変ですよう――」
そのときになって勝手口からとびだしてきた女中さんが、苦もなく犬の首輪をつかんで引き離しながら、奥の方へむかって叫んでいるのであった。
「こんにゃく屋がお菜園をメチャメチャにしてしまいましたわ」
私もそれで気がついた。幸いこんにゃく桶は水がこぼれただけだったが、私の尻餅ついたところや、桶のぶっつかったところは、ちょうど紫色の花をつけたばかりの茄子が、倒れたり千切れたりしているのであった。
「なにさ、おやおや――」
玄関の格子戸がけたたましくあいて、奥さんらしい女の人がいそいで出てきた。
「まあ、大変なことをしてくれたネ。こんにゃく屋さん、これはうちの旦那さまが丹精していらッしゃるお菜園だよ、ホンとにまァ」
奥さんは、私の足もとから千切れた茄子の枝をひろいあげると、いたましそうにその紫色の花をながめている。私もほんとに申訳ないことをしたと思った。私も子供だけれど、百姓の子だから、茄子がこんなに花をつけるまでどんなに手数がかかるかを知っていた。