Japanische Klassiker mit Furigana
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しじみがし
しじみ河岸
山本 周五郎
Lesen Sie しじみ河岸 (しじみがし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.438 Zeichen · 51 Bildschirme
八
と弥五は微笑したまま云った、「わたくしゃあつくづくそうだと思いました、なにか云いたいことがあったら、壁か羽目板にでも向って云うに限る、そうすれば、少なくとも痛いめにはあわずに済む、――私だけじゃない、いつも食うに追われているような貧乏人は、多かれ少なかれ、みんな同じようなめにあって、懲りて、それこそ懲り懲りしていますからな、……へえ、連中からなにかお聞きになろうということは、わたくしゃあむだだと思うんでございますよ」
律之助は頭を垂れていた。
「うんめえ、あ」と戸口で直次郎が云った、「おいたん、ね、こえ、うんめえ」
律之助は茶碗を置いて立った。
八
「有難う、じいさん」と律之助は云った、「なるほどそんなこともあるかもしれない、私には、なんとも云いようもない、しかし、――」彼はちょっと口ごもった、「とにかくやってみるよ、たとえ世の中がそうしたものだとしても、それならなおさら、やってみる値打がありゃあしないか」
弥五は微笑しながら頷いた。律之助は赤くなった。
「じいさんから見たら青臭いかもしれないが」と彼は云った、「とにかく、やるだけはやってみる、――お茶を有難う」