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Japanische Klassiker mit Furigana

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しじみがし

しじみ河岸

山本 周五郎

Lesen Sie しじみ河岸 (しじみがし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.438 Zeichen · 51 Bildschirme

Aozora Bunko

お絹はかなり縹緻がいいのに、二十まで未婚だったのはそんな家庭の事情のためだろう。気性もおとなしそうであるが、ちょっと陰気で、芯のつよい、片意地なところがあった。

町奉行での係りは、吟味与力の小森平右衛門だった。小森も南では古参のほうだし、相当に念をいれて調べているが、お絹が口書のとおり繰り返すばかりなのと、ぜんたいがあまり単純なのとで、それ以上に詮索しようがないようであった。

お絹は卯之吉に呼びだされ、無理なことを云われたので、かっとなって、夢中で男を刺したという。殺すつもりはなかったし、刺したのも夢中であるが、自分のしたことに間違いはないから、早くお仕置にしてもらいたい、と云うのであった。

――無理なことを云われたというが、それはどんなことだ。

こう訊問したが、お絹はただ「無理なことです」と云うだけであった。

――その事情によってはお上にも慈悲があるが、ただ「無理なこと」ぐらいで人間ひとり殺したとなると、死罪はまぬかれないぞ。

小森はこう問い詰めた。しかしお絹は、どう無理かということは、話しても旦那方にはわかってもらえないだろう、自分は覚悟をきめているから、もうなにも訊かないで早くお仕置にしてもらいたい。