Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しじみがし

しじみ河岸

山本 周五郎

Lesen Sie しじみ河岸 (しじみがし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.438 Zeichen · 51 Bildschirme

Aozora Bunko

はお寺かお宮の縁の下へ入って」

とつぜんお絹が叫び声をあげた。

「嘘です、嘘です、そんな筈はありません、旦那は嘘をいっているんです」

「そんな筈がないって」と彼はいった。

「そんな筈はありません」とお絹がいった、「どうしたって、どんなに間違ったって、お父つぁんや直が乞食になるなんて」お絹の眼から涙がこぼれた、「そんな、そんなひどいことがあるもんですか、そんなむごいことが」

「あったらどうする」と律之助はいった、「血のつながる親類でも、人殺しなどをした者が出れば、その家族とはつきあわなくなる、それが世間というものだ、まして他人同志のあいだで、そんな者の面倒をいつまでみてゆけると思うか」

「約束をしたんです、あの人は約束をしたんです」

「相模屋の清太郎か」

「あの人はちゃんと約束したんです」お絹は泣きだした。泣きながら彼女はいった、「お父つぁんや直は、一生安楽に暮させてやる、土地がいづらければ、どこか湯治場にでもやって、一生不自由のないように面倒をみてやる、相模屋の暖簾に賭けて約束するって」

「それで清太郎の身代りになったのか」

「あたしはもう、疲れてました、しんそこ疲れきってました」