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Japanische Klassiker mit Furigana

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『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ

たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】

佐藤 春夫

Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.182 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

一時知り合いのところへ荷物を頼んで置いて、すぐ友だちの家の近所に家が見つかる手はずになっているから、話がきまり次第改めて移転通知を差上げますと云って出たまま、まだ移転通知がないから引越先はわからない。ところでお隣さんのお話では、石崎さまは目白坂の前島さまやそのお屋敷あとにある佐藤さま――というのはつまりこちらさまの事のようですが――とはお身内のように聞いていたから、そちらへ廻ってみたら、もしやお荷物でもお預けになっているか、それともお友達やお引越先でもわかるかも知れないという事で、手前、こちらさまへ伺いに出てみましたような次第で」

と云い方がわるいのか、聞き方が悪いのか話が妙にこんがらかって不明瞭であるから、性急なわたくしは短兵急に、

「お話の様子では石崎とやらは近所をそう云いくるめて、夜逃げでもしたと云うのでしょうか」

「さあ? そこはどうでございましょうか。何しろ突然のお引越先がわかりませんので」

「それはいけないね。ところでわたくしの方は先刻からも云うとおり越後の前島さんのような名門とは何の縁もゆかりもありませんし、またその石崎さんとやらも一族どころか名前もはじめて聞くのですが」