Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
私の家には、群馬郡清里村大字青梨に親戚がある。青梨は、私の村から一里半ばかり北方の榛名山の裾にあり、わが村から指してこの方面を上郷といい、岡場とも称した。岡場に対して私の村の方は米を産するから田場と称するのである。米の稔らぬ岡場に対し、米を産する田場の者は、子供までが優越感を持っていたのだ。つまり、田場のひとりよがりなのだ。
もう、五十年も前の話だ。青梨の親戚から、時折り私と同年輩の子供が客にくる。私らはその子供に、君が来ると上新田の頬白がひどく喜ぶよ。と、いっていつもからかうのである。青梨の子供は、それをいわれるのをひどく嫌ったものである。
そのわけは、青梨は山の麓であるから稲田がなくて、畑や開墾地を耕作する地方だから、粟と稗を常食にしている。そこで、これも粟と稗を常食にしている頬白が、君の姿を見て仲間が来たといって喜ぶという悪口だ。
夕方がきて、風呂を沸かす。青梨の子供が、着物を脱ぎはじめると、おいおい君、おいおい君、抱き石をやろうかと、また悪まれ口を叩く。
と、いうのは日ごろ上郷の連中は、稗や粟ばかり食べているから下腹が軽石のように軽い。