Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

利根郡地方で漁れたものと、下流の佐波郡地先で漁れたものを食べ比べると、問題にならぬほど上流のものがおいしい。

姿は、利根郡内の川田村地先を流れる利根本流の曲ツ滝付近で漁れるのが、最も大きいらしい。そして、早春の頃のこの辺の鰍は、細やかな脂肪が乗っていて、素晴らしい味だ。

鰍は、三月から六月頃へかけて、まだ川の水温が高まらぬうち、峡流の底の転積する玉石の裏側に産卵する。産卵が終わると、雌雄一対の鰍は、流れの上下に別れて卵を見張り、外敵を防いでいるのである。流れにいる山女魚やはやは、鰍の卵を常食にしているほど好む。だから早春の渓流に山女魚やはやを狙う釣り師は、これを餌に愛用するのである。

魚類の卵のうちでは、鰍の卵が不味の骨頂であるかもしれぬ。そこで鰍の肉骨は舌の尖端を魅するにも拘わらず、卵の味は鯰の卵に劣らぬほどである。似鯉の卵の味と好一対であろう。

私は、こんど故郷へ帰ってから、殆ど毎日の位、鰍の鮮饌に親しんでいる。友人に、鰍捕りの名人がいて、利根の急流から漁ってきたものを数多く贈ってくれるからだ。

膾が、甚だ結構だ。なるべく大形のものを選び、皮と頭と背骨と腸を去り、肉を薄くそいで水で洗い、これを酢味噌で頂戴すると、舌の付け根に痙攣でも起きるのではないかという感を催す。