Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
毛色は夏冬によって、彩を異にし、冬毛は背中に白味が多く、腹の方は黒褐色を呈し、過眼帯は黒い。爪は長く黄白色をなし、前肢の爪は殊に長大だ。
前段に申したように地方によっては狸と混用して、狢というが体の毛の荒いのと、前肢の爪が長いのによって、はっきりと区別することができる。低い丘の横腹などに自分で穴を掘って棲んでいて、四月頃に子を産むのである。肉は脂肪を含んでやわらかく、その風味、豚に似ていると思う。
二
さて、わが老妻は村上町から渡来した狸の肉を細かく刻み、これを鍋の水に入れて二、三時間沸らせ、やわらかくなったところへ、そぎ牛蒡、下仁田葱、焼豆腐を加えて、味噌を落としたのである。そして、舌をやくほど熱いところを椀に盛り、七味を加えて味わったところ、素晴らしくおいしい。さらに、奥利根沼田から贈って貰った醇酒で小盃を傾け、わが舌に吟味を問えば、なんとも答えず、ただ舌根を痙攣させるのみ。
まことに、久し振りで狸汁の珍味に酔うたのである。
月の輪熊の方は、その翌日とろ火にかけて、小半日ばかり湯煮して、やわらかに煮あげ、それを里芋、牛蒡、焼豆腐と共に旨煮にこしらえて賞味したところ、山谷の匂い口中に漂って、風雅の趣を噛みしめた。