Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「溝や煙突掃除くらい私にもやれますよ」

「駄目だ、そんな細い指の人間にゃやれねえな」

「でも、やらせみておくれ、必ずやりますから」

「どうかな――おい、お前にはあの道具が扱えるかい」

といって親爺は、土間の隅の方を指した。土間の隅には、割り竹の先に結びつけてある煤によごれた黒い大きな丸い刷毛や、溝掃除に使う鍬、鶴嘴、長い竹箆などが散乱していた。

「地下足袋も、絆纏も、股引も持ってます。こんな細い腕でも、ついこのごろまで力仕事をやっていたんだから」

私は、新聞配達しているとき、新聞社から貰った印絆纏が、梱に入れてあるのを想いだしたのである。地下足袋も股引も、新聞配達には付き物であった。

「綺麗な仕事じゃねえよ、それに手間賃もひどく安いよ。それが承知なら、やれるかやれねえか、あしたから來てみるがいい」

二

私は、掃除屋の親爺を救いの神だと思った。しかし私は、家内には仕事が見つかった事だけ話し、その仕事が何であるかは語らなかった。

翌日早く、絆纏、股引、地下足袋を身につけ、頭へは寒鮒釣りに行ったとき使ったスキー帽の古いのを冠って出かけた。

「案外格好ができていらあ、これじゃやれるかも知れねえ」