Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
「あっ※(感嘆符二つ、1-8-75)」
賢彌は、背中から冷水を浴びせかけられたように慄然とした。昨夜の夜半に、風呂場で見た半人半魚の麗人が、数歩前を自分の方へ向かって、窈窕として歩を運んでくるではないか。
だが、今朝は半人半魚の姿ではない。華麗で、しかも気品の高い色合いの袷を着て、足に革草履をはいている。
麗人と、賢彌の視線が合った。しかし、麗人は昨夜のような美しい微笑を頬に浮かべなかった。路幅およそ二間半、女は崖端に近い方をしとやかに歩いて往き交った。賢彌の視線から、おのれの視線をはずすと、すぐ眼を伏せて行くのである。賢彌は、かつてこんなに美しい女を見たことがない。
走った。まっしぐらに走った。怖いというのか、凄いというのか、わが魂が飛び去ったというのか、名状し難い気持ちに襲われて、賢彌は三里の下り路を、猿ヶ京の乗合自動車の立場まで、喪心して走った。立場まで走りついたとき、ついに身を支えきれなくなって、思わず路傍の草によろよろと崩れ伏した。
その日の夕方、沼之上の家へ帰って、賢彌は祖母と母に法師温泉で見た妖女の話を語った。これをきいた祖母と母は、ただ一言、