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Japanische Klassiker mit Furigana

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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

そして話がそこまで来ると、殆んど船乗りばかりのその座は、妙に白けて、皆ないやアな顔をして滅入り込むのが常だった。

今夜も、とどのつまり、それがやって来た。

海から吹きつける海霧が、根室の町を乳色に冷くボカして、酒場の硝子窓には霜のような水蒸気が、浮出していた。真赤に焼けたストーブを取巻いて、人々は思い出したように酒を飲んだ。冷くさめ切った酒だった。

外には薄寒い風が、ヒューヒューと電線を鳴らして、夜漁の船の発動機がタンタンタンタンと聞えていた。なぜか気味の悪いほど、静かな海霧の夜だった。人々は黙りこくって、苦い酒を飲み続けた。

けれども、そうした白けきった淋しさは、永くは続かなかった。

全く不意の出来事であったが、いままで酒臭い溜息をもらしながら、ボンヤリ人々の顔を見廻していた砲手の未亡人が、突然ジャリンと激しく器物を撒き散らしながら、テーブルを押し傾げるようにして立ちあがった。顔色は土のように青褪め、恐怖に見開らかれたその眼は、焼きつくように表の扉口へ注がれている。

水蒸気に濡れたそこの硝子扉には、幽霊の影がうつっていた。――ゴム引きの防水コートの襟を立てて、同じ防水帽を深々とかむった影のような男が、外から硝子扉にぴったり寄添って、蓬々に伸びあがった髯面を突出しながら、憔悴しきった金壷眼で、きょろきょろ