Japanische Klassiker mit Furigana
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やぶからし
やぶからし
山本 周五郎
Lesen Sie やぶからし von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.476 Zeichen · 44 Bildschirme
わたくしはお給仕をする筈なので、振袖では困ると云ったけれども、おかあさまは聞こうともなさらず、わたくしを飾れるだけ飾ろうときめていらっしゃるようすが、殆んどいじらしいほどしんけんにみえた。
久弥さまは佐波又衛門さまの御二男で、年は二十六歳、わたくしとは八つ違いであるが、たいそうおとなびていて、三十くらいにも老けてみえた。痩せてはいるが筋肉質で、背丈が高く、肩幅が広かった。立ち居や身ぶりはゆったりとのびやかだし、その声も豊かで低く喉の奥で話すように聞えた。おとうさまも酒はあまりめしあがらないが、久弥さま、――もう良人と呼ぼう、良人も酒はごく弱いほうで、盃に三つほどあがると、頸筋まで赤くなり、ちょっと苦しそうな息づかいをしていた。
お二人はまえから親しくしていたとみえ、共通の話題を興ありげに話し続けた。どちらもお口べただし、言葉数も少ないが、お互いの気持はよく通じあうようすで、片方がなにか云いかけると、聞き終らないうちに片方が笑いだす、といったようなことが、三度や五たびではなかった。
「ときに、腹ごなしでもやるか」膳部をさげて茶菓を出すとまもなく、おとうさまがそう云いだされた、「すずに鼓を持ってもらって、紅葉狩をさらおう」