Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆだんたいてき
ゆだん大敵
山本 周五郎
Lesen Sie ゆだん大敵 (ゆだんたいてき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.664 Zeichen · 41 Bildschirme
「……勝負はここでするか」
「そのつもりで来た」
「木剣とは違うぞ」
主税助は颯とうしろへとびしさって、袴の股立をとり、大剣の柄へ手をかけた、
「……こんどはまいったでは済まんぞ」
「よく見ておけ」
久之助はとつぜん妙なことをかなり大きな声で云った。
「……城中で立合ったとおりやってみせる、あの仕合もおれの勝だった、どこで勝ったかということをこれから見せてやる、おれの手をよく見ていろ」
久之助は燗徳利をそこへ置き、大剣を鞘ごと抜いて左手に下げた。
こんどはかれが袴の股立もとらない、大剣を左手に下げ、しずかに相手を見やりながら、
「いざ」と云った。
主税助の面に殺気が走り、無言で抜いた刀にきらりと月光が光った。
久之助は一歩すすんだ。
やはり刀は左手に下げたままだ。
主税助は刀を上段につけた、両者の眼と眼が噛み合い、呼吸が空に火花を散らすかと思える、そして正しく、城中での仕合そのままの瞬間が来た、気合が充実の頂点に達し、まるで音高くひき裂けるかとみえる瞬間、……久之助の右手がしずかに動いて、左に下げた大剣の柄にかかった。
主税助の口から劈くような絶叫がとび、がっしと両者の躯が一つになった。