Japanische Klassiker mit Furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme
「ねえ、本当に何て云ったんだ?」Aは、飲みかけの紅茶をさし置いて追及した。
「あのね、こんなネクタイを編ませたりするAの気が知れない。こんなものは、街へ行けばもっと安く、手軽に買えるじゃありませんか、って。」
Aは苦笑した。
「フム、学校で生物学の講義でもしていると、どんなことでもそんな風にしか考えられなくなるんだよ。……自分の細君のことは何とも云わなかったかい?」
「――いない方が、邪魔にならなくていいんですって。それに、僕の女房は僕に、A君が気に入っているのだし、A君とならよく似合うから恰度いいだろうって仰有ったわ。」
「下らない! 変な冗談を気にかけちゃいけないよ。僕はBの細君なんかと一緒に行ったって、ちっとも楽しくなんかなかった。本当に、悪かったら、勘弁しておくれ。」
Aは細君をやさしく抱いた、すると彼女は身をかたくした。
「なぜ、そんな風に仰有るの?」
「莫迦! 泣く奴があるもんか」
「だって、あなたが、そんなことを仰有るからよ……」
「これから、決してお前ひとり置いて行ったりなどしないよ。……いい子だ、いい子だ。」
Aは細君の泪に接吻してやった。
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