Japanische Klassiker mit Furigana
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パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme
ことが出来るかどうか、菰田の若い夫人はどの様な人物であるか、召使共の気質はどんな風か、それらの点を一応検べて置く必要がありました。その結果若し、この計画に破綻を来す様な危険が見えたならば、そこで、始めて実行を断念しても遅くはないのです、まだまだ取返しの余地はあるのでした。
併し、彼がこのままの姿でT市に現れることは、勿論差控えなければなりません。その姿が人見廣介と分っても、或は又、仮令菰田源三郎と見誤られても、孰れにしろ彼の計画に取っては致命傷でありました。そこで、彼は彼独得の変装を行って、この第一回のT市への旅を旅立つことにしたのでした。
彼の変装方法というのは、実に無造作なもので、これまでの眼鏡を捨てて、極く大型の、併し余り目立たぬ形の、色眼鏡をかけ、一方の目を中心に、眉から頬にかけて、大きく畳んだガーゼを当てて、口にはふくみ綿をして、これも目立たぬ口髭をつけ、頭を五分刈りにする。と、ただこれ丈けのことでしたが、併し、その効果は実に驚くべきもので、出発の途中、電車の中で友達に逢ってさえ、少しも感づかれなかった程でありました。人間の顔の中で最も目立つものは、最も各自の個性を発揮しているものは、その両眼に相違ありません。