Japanische Klassiker mit Furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Lesen Sie 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.990 Zeichen · 58 Bildschirme
と叫んだ。中将と杢がびっくりしてのぞきこむと、千仭の谷ではなく単なる土間へ落ちたに過ぎなかった。
「ああ胆をつぶした」
権頭は口から泥を吐き出しながら、腰をなでなで立ち上がった、
「どっちへいっても土間ばかりありやがる、わけがわからねえ」
「よし、おれやてみる、わけねさ」
中将はじっと周囲を見まわし、右へ見当をつけて足を進めた。すぐに戸へ突き当たった。要慎に如くはない。じっと耳を澄ますと人声が聞こえる、「ここだ」中将はこうささやき、刀を持ち直してがらりと戸を明けた。ところがやはりまっ暗な、そして、――土間である、三人はかっと怒った。脱兎のごとく戸という戸へとび掛かり、それを押し明けては踏み込んだ、しかしどこを明けてもまっ暗な土間だった、四方八面ゆけどもゆけども暗い土間で、それ以外のどんな部屋もなかった。
「やいこの家の野郎、出て来い」
三人は土間から土間へこうわめき歩いた、
「この刀が見えねえか、あり金残らず出しあがれ、四の五のぬかすと命あねえぞ、やいどこにいる、出て来やあがれ」
「出て来なければ命はないですぞ、われわれは抜刀斬込み隊くずれ命知らずですぞ」
「やいふざけると承知しねえぞ、みな殺しだぞ」