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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんあくにんものがたり

三悪人物語

山本 周五郎

Lesen Sie 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.990 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

「さよう、正確なところはわかりませんが、およそ三千俵あまりでございますかな」

「じゃあ私がそれを買いましょう」

「あ、なた、が、――」

「私がね」

八百助はむぞうさにうなずいた、

「今夜のうちに西浜へ三艘ばかり船をつける、それへ夜明けまでに積んでください、値はこれで買います」

八百助は持木屋の手形を一枚そこへ出した、三千俵で一万両、百俵六十両という当時の相場としては、現在いかに闇値が高いとしても法外である、蓑賀殿の不当な横流しは目前に迫っているし、手形は金と同じ信用のある持木屋の振出しであった。

「それとも三人に儲けさせてやりますか」

八百助にこう微笑されたとたんに田丸屋の決心はついた。取引は定り、今夜の荷積の手はずもついた、そして田丸屋を出た八百助は、その足で呉服太物糸綿商の折屋伝内を訪ね、酒問屋の水尾割助、海産問屋の美那屋古蔵を歴訪した。――遍歴の終わりは来六屋出平である、西浜の一劃に堂々たる店構えと、三戸前の大きな倉庫を持ったこの家の前に立って、八百助はしばしふしぎな微笑をうかべていた。

「私が来六屋の主じでございます」

訪れた八百助の顔を、出平は傲岸にじろじろ眺めまわした、