Japanische Klassiker mit Furigana
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ふちんぐんかんのみほん
不沈軍艦の見本
海野 十三
Lesen Sie 不沈軍艦の見本 (ふちんぐんかんのみほん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.749 Zeichen · 24 Bildschirme
しかもそのむくむくは、勘定してみると、都合五つあった。
「何だい、あれは」
大統領は怪訝な顔。
そこへ、さっきから置き忘れられたような金博士が、小さい身体をちょこちょことのりだしできて、大統領に耳うちをした。
「ええっ、そ、そうか!」
大統領の愕きは一方ではなかった。
「ふーん、命中弾は、たちまち艦内を通り抜けて、艦底から海底へ突入、そこで爆発したのだというのか。こいつは驚異じゃ」
「何ですって?」
と、ヤーネルが大統領の歎声を聞きとがめ、
「ああ大統領閣下。金博士ごとき東洋人にたぶらかされてはなりませぬ。第一おかしいではありませんか。命中したら必ず艦に穴が明くはず、穴が明けば必ずそこから海水が入って、たちまち轟沈及至撃沈となるはず。ですから、あんなに厳然としているはずはありませんぞ」
「わっはっはっ」
金博士が、あたり憚らぬ大声で笑い出した。
「これ金博士。あなたは司令官を侮辱なさるか」
「わっはっはっ、ヤーネル君。さっき君は、たしかに五弾命中と自らいったではないか。それにも拘らず、今さら一弾も命中せざるごとくいうのは何事だ。それとも、たった五千メートルの距離から、静止せる巨艦を射撃して、二十門の砲手が、悉く中り外れたとでも仰有るのかね。