Japanische Klassiker mit Furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
孫はまだ故の所に白痴のようになって立っていた。友人達は声を揃えて呼んでみたが、孫は返事もしなければ見向きもしなかった。友人達は皆で往って引っぱった。
「おい魂が阿宝に随いて往ったのじゃないかい」
孫は考えこんだまま返事もしなかった。皆は孫の平生のぼんやりを知っているので怪しまなかった。そこで皆で手を引いたり後ろから推したりして帰ってきた。そして家へ帰った孫は、すぐ榻の上にあがって寝たが、終日起きなかった。家の者が気をつけてみると酔ったように解らなくなっていた。呼び起しても醒めなかった。家の者は魂を失ったのではあるまいかと思って、野原へ往って、魂を招く法式を行ったが効がなかった。強いて体を叩いて、
「おい、しっかりしろ、どうしたのだ」
といって訊くと、孫はぼんやりした声で、
「俺は阿宝の家にいるのだ」
と言った。家の者はもうすこし精しいことを訊こうと思って問うたが、孫は黙ってしまってもう何も言わなかった。家の者は驚き惑うばかりで理由が解らなかった。
はじめ孫は、阿宝の帰って往くのを見て、捨ててゆけない気になると共に、自分の体がそれに従いて往くのを感じた。