Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かかこうしゅ

中国の怪談(二)

田中 貢太郎

Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

虎媛

明の末の話である。中州に焦鼎という書生があって、友達といっしょにの上流へ往ったが、そのうちに清明の季節となった。その日は家々へ墓参をする日であるから、若い男達はその日を待ちかねていて、外へ出る若い女達を見て歩いた。焦生も友達といっしょに外へ出る若い女を見ながら歩いていたが、人家はずれの広場に人だかりがしているので、何事だろうと思って往ってみると、一匹の虎を伴れた興行師がいて、柵の中で芸をさしていた。

それは斑紋のあざやかなたくましい虎であったが、隻方の眼が小さく眇になっていた。年老った興行師の一人は、禿げた頭を虎の口元へ持って往って、甜らしたり、鬚をひっ張ってみたり、虎の体の下へもぐって往って、前肢の間から首を出してみたり、そうかと思うと、背の上に飛び乗って、首につけてある鎖を手綱がわりに持って馬を走らすように柵の中を走らした。その自由自在な、犬の子をあつかうような興行師のはなれわざを見て、見物人は感激の声を立てながら銭を投げた。

曇り日の陰鬱な日であった。焦生も友達と肩を並べてそれを見ていたが、見ているうちに大きな雨が降ってきた。見物人は雨に驚いて逃げだした。