Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
侍女はそう言うかと思うと轍の土を掬うてふりかけた。土は方棟の目に入って開けようとしても開かなかった。それをやっとの思いで拭いおとして、車はと見たがもう影も形もなくなっていた。方棟は不思議な車もあったものだと思いながら家へ帰ってきたが、どうも目のぐあいが悪いので、人に瞼をあけて見てもらうと、睛の上に小さな翳が出来ていた。そして、翌朝になってから痛みがますます劇しくなって、涙がほろほろと出て止まらなかった。それと共に翳もしだいに大きくなって、数日の後には厚くなって銭のようになり、右の睛には螺の殻のような渦まきが出来ていた。そこで方棟はあらゆる薬を用いて癒そうとしたが効がないので、悩み悶えた後にひどく自分の行いを後悔するようになった。光明経を誦むと厄をはらうことができるということを聞いたので、それを求めて人に教えてもらって誦んだ。初めのうちは心がいらいらしておちつかなかったが、しだいにおちついてきて安らかになり、朝晩ほかのことは思わずに珠数を捻っていられるようになった。
この状態を一年ばかり続けているうちに身心倶に静かになった。と、ある日、右の目の中で蠅の羽音のような小さな声で話をする声がした。