Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
その門をまだ明けないうちに、張鬼子はどこかの隙間から入り込んで来て、教室の前にぬっと突っ立ったので、人びとはすこしく驚いた。
「畜生、貴様はなんだ」と、張先生は怒って罵った。「きっと生徒らにたのまれて、おれをおどしに来たのだろう。その手を食うものか」
「いや、おどしでない」と、張鬼子は笑った。「おれは閻羅王の差紙を持って来たのだ。嘘だと思うなら、これを見ろ」
かねて打ち合わせてある筋書の通りに、かれはかの差紙を突き出したので、先生はそれを受取って、まだしまいまで読み切らないうちに、かれはたちまちその被り物を取り除けると、そのひたいには大きい二本の角があらわれた。先生はおどろき叫んで仆れた。
張は庭に出て、人びとに言った。
「みなさんは冗談にわたしを張鬼子と呼んでいられたが、実は私はほんとうの鬼です。牛頭の獄卒です。先年、閻羅王の命を受けて、張先生を捕えに来たのですが、その途中で水を渡るときに、誤まって差紙を落してしまったので役目を果たすことも出来ず、むなしく帰ればどんな罰を蒙るかも知れないので、あしかけ二十年の間、ここにさまよっていたのですが、今度みなさん方のお蔭で仮を弄して真となし、無事に使命を勤め負せることが出来ました。