Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう

中国怪奇小説集

岡本 綺堂

Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

「いえ、ゆうべは早く寝てしまいました」

「いや、わたしが確かに見た。あなたは夜の更けるまで几にむかっていましたよ」と、主人は笑っていた。

しかし楊は笑っていられなかった。

これには何か子細があるに相違ないと思ったので、その晩は寝た振りをして窺っていると、夜も三更(午後十一時―午前一時)とおぼしき頃に、たちまち大きい声で呼ぶ者がある。それと同時に二本の大きい蝋燭が地上にあらわれて、くれないの火焔が昼のようにあたりを照らすかと見るうちに、大勢の家来らしい者どもが緋の着物をきた人を警固して来た。人はここの家の主人がゆうべ見た通りに、几にむかって書物を読みはじめた。

楊はおどろいて、大きい声で人を呼んだが、誰も来る者はなかった。緋衣の人も聞かないようなふうでしずかに書物を読みつづけていた。やがて五更(午前三時―五時)の頃になると、彼は又しずかに起ちあがって楊の寝床へ近寄って来た。他の者どももみな従って来て、楊の寝床の四脚をもたげて部屋じゅうをぐるぐる引きまわした末に、空にむかって幾たびか投げあげた。楊はもう気絶してしまって、その後のことは知らなかったが、夜が明けて正気に復った頃には、そこらに何者の姿もみえなかった。